KTM 950adventure-S〜購入までの道のり〜
最終更新日2005/10/23(新規)
今回、KTM950adventure-Sを購入するにあたり、色々な方からのアドバイスを頂きました。
ここでは皆さんに感謝すると共に、購入までの経緯を紹介したいと思います。
(一部伏字を使用していますが、ご了承ください)
 自分が初めて「KTM950 ADVENTURE」がいいなぁと思ったのは、某雑誌のインプレを読んでのことだった。「軽い」「スリム」「パワフル」どれも魅力的な単語である。しかし、それ以上にKTMのこだわりを感じるものがあった。それは「READY TO RACE」、つまり競技に参加すること前提又は競技からフィードバックしたバイク作りを行っている点である。通常バイクメーカーは一般向けの車両を競技用に別途開発又は改造して競技に参加するのに対し、KTMは「競技に参加するために作ったバイクを一般向けに販売している」ということらしい。ちなみにKTMはオーストリアのメーカーであり、BMWで有名なドイツとも近く、国民性もドイツ人と似ていると言われる。造りこみへの情熱はドイツの職人「マイスター」と同じ又はそれ以上なのだろう。

 2004年夏、ある講習・試験を受ける為に東京へ出向いた自分は、●ッ○ー◎(※注1)の無駄話会(普通の飲み会、しかし無駄な話があまりに多いことからこのように呼ばれていた)へと夕方から出向いた。そして様々なインプレ記事や取材を行っているライター○井氏とエディター●崎氏に話を聞いた。すると、「アフリカツインをいろいろ改造してこうしたい、ああしたいというものが、より高次元でバランスよくまとめられていて、なおかつ手を加える部分も殆どない」とのことだった。この話を聞く前からかなり前向きに購入を考えていた自分だが、これで購入への意気込みは200%UP。うーん、これは現物を試乗してみてから判断するしかないなぁと思った。

 福島に帰ってからしばらくしてようやく時間がとれたので、暑い中仙台まで移動して「KTM950 ADVENTURE」の2003年型を試乗した。以前数ヶ月前にも試乗しようとして来たことがあったのだが、そのときには修理中(セルフスターターの調子が悪かったらしい)で試乗できなかった。今回はいわばリベンジである。

 跨っていきなり「軽い!」と思わず声に出た。車両重量はアフリカツインと装備重量で約10kgしか違わないものの、重心が低い為に軽く感じるのである。足つきは言うに及ばず比較的良いとはいえないのだが、当時乗っていた車高5cmUPのアフリカツインよりも少々良かった。シートの断面が台形状であり着座状態では心地よいものの、足付き性は多少犠牲になっているようだ。

 早速走り出してみる。とりあえず8の字走行。やはりヒラヒラと切り返しが可能で軽さを感じる。そして市街地走行。エンジン特性は試乗車が本調子でなかったものの、中速域から高速域については心地よい(というより凶暴的な)加速を得られる。中速域でのトルク感は必要十分なものがあり、基本的には中速域をメインで使うことになるだろう。低速域はやはりショートストロークエンジン故に苦手なのだろうが、粘りは感じられないもののエンジンが軽く回る感じであり、ドコドコと鼓動感のある小気味良い吹け上がりをみせた。

 ある程度飛ばしてみる。時速100km/h程度では4速でも十分であり、6速全部使えば150km/h巡航も苦ではないのかもしれない(振動がすごいだろうけれど)。考えてみると4速で100km/hということは、各ギアでの守備範囲とする速度域はかなり広いことになるわけで、エンジンのレッドゾーンが9500rpmからというVツインエンジンとしては結構回るエンジンの成せる技なのかもしれない。これこそが「READY TO RACE」なのだろうか。

 ノーマル状態の「KTM950 ADVENTURE」を試乗してみて思ったことは、「これは良い!」ということだった。試乗車の車体色は2003年モデルのシルバーだったが、その場には2004年モデルのオレンジ色があった。カタログ上では普通のソリッドなオレンジ色だと思っていたが、現物はオレンジ色にパールのラメがかかっているような、非常に綺麗な色だった。そうなると、ブラックも見てみたいなぁと思いつつ、一番気になるカラーリングの「KTM950 ADVENTURE S」のブルー(ゴロワースカラー)も見たい、乗ってみたいと思うのであった。

 ちなみにADVENTURE Sはノーマルモデルより35mmサスペンションが長く、足付き性は当然悪くなるのだが、個人的にはゴロワースカラーである青が好きだし、そのためなら足付きも1Gサス調整・フロントフォーク突き出しで対処できるのではないかなぁなんて考えていた。まずは現物を試乗してみなくては。

 そういえば東京で●崎氏が話していた「ADVENTURE Sを買った知人がいるから乗ってみれば?」という会話を思い出した。連絡して乗せてもらえるようにお願いしてみようかな。そうそう、9月〜10月に先日受けた試験の実技試験のためにもう一度東京に行かなくてはならないのでちょうどいいかも。しかし、このチャンスは試験で精一杯のため、試乗どころか見る事もできなかったのである。(涙)


 2004年10月に入り、いつの間にかKTM公式HPでは05モデルが登場していた。
クリックすると元のサイズで表示します
 基本的にはLC8には変更無し、グラフィックの変更のみのようだ。しかし、Sの青モデルはタンク上部とリアフェンダーが青くなっていて、色彩のトータルバランスが向上しているように思う。

 その後、しばらくして某誌を見たところ、○井氏が「KTM950アドベンチャーS」のインプレ記事を書いていた。これは!!と思い、本人にメールで直接質問してみた。すると、Sモデルはサスが絶品だとのこと。なお試乗場所は滑りやすい路面の大井松田の某所(※注2)だったらしいのだが、その路面でもスライドコントロールが可能なほど路面状況がつかめるとのこと。まぁ自分にはテクがないので判らないかもしれないが、ノーマルモデルがオンロード寄りのセッティングだとすぐに気付くほどの違いだ、等の返答を頂戴した。(ありがとうございます)

 こうなれば、これは絶対に買う!という気持ちに拍車がかかる。がんばって貯金することを心に誓った。とりあえず頭金で1/3程度は準備し、残り金額をローンで支払うことで計画を立て、いつか買ってやる!という野望に胸を膨らませて年を越した。

 さて、2004年の年末にはキャンペーンを行っていて、なんでもLC4又はLC8を購入するとアクラボビッチのサイレンサーがおまけで付いてくるとのことだった。しかし対象は2004年モデルのみとのことであった。その時点では買うと決めているものの頭金も少ないし、まだまだ購入するのは先であろう、ということで気にも留めなかった。(今考えると少しもったいなかったかも・・・。)

 年が明けて2005年1月中旬、ローン金利や頭金の準備がどれくらい必要か、そして値引き等はあるのかを知りたくて仙台のディーラーに出向いて見積を頂戴した。営業さんの話し振りから察するに値引きはほとんど期待できないとの判断から急遽作戦変更、値引きの代わりに用品(純正オプションパーツ)を付けてもらう事にした。粘って交渉したものの、カーボンタンクガード、カーボンイグニッションカバー、カーボンクラッチカバーの3点で精一杯だとのこと。これで約6万円のサービスであり、ちょっと不満が残りつつも店を後にして検討する事とした。

 ここでまた○井氏にメールにて相談してみた。すると買うのはもう少し後がよいようだとのアドバイスがあった。なんでも4月発売のスパーデューク(LC8を積んだオンロードバイク)に合わせてキャンペーンがある可能性が高いとのこと。でも950ADVがその対象に入るかは判らないようである。なお、05モデルは04モデルからの変更点が意外に多いことも教えてもらった。また、氏の友人の話として、「値引き代わりにマフラー交換程度はしてみる価値があるのでは?」とのこと。こうなったら駄目もとで更なる用品サービスを交渉、駄目ならキャンペーンまでじっくり待つこととした。

 2005年1月31日、仙台のディーラーに電話をかけ、もう少しなんとかならないか?との話をした。営業さんは困った様子であったが気にせずに「もっとおまけして」と攻める。すると先方は「具体的にこれを付けて欲しいというような交渉のほうが店長と話しやすい」と言っていたので、それじゃぁとマフラーのカーボンヒートガード(2万円強)を要求した。これがOKとなれば全部の用品サービスは8万円強程度となり、キャンペーン並みの用品サービスとなる。買ってもいいかな?と思わせるに十分魅力的なものとなる。

 電話後、すぐに返事が来るのかと思ったのだが、なかなか返事が来ない。やっぱり駄目だね、と思いながらキャンペーンは何時ごろなのかな、それまでに貯金しなくちゃ、なんてことを考えていたら1時間ほど経って電話が来た。営業さんの少し暗い(失礼)話始めとは裏腹にOKが出たとのこと。なんでも店長にひどく怒られたそうで暗い雰囲気だったようだ。

 こうなってしまえば、お得感>現金値引き無し、ということで購入意欲は満々、購入を決めた。しばし営業さんと雑談等もしたが、見積の時点で住所・電話番号を正直に書いてくれる客は少ないそうで、それだけでも自分の信用度は高かったそうだ。住所も書かない人は大抵冷やかしだそうで(そりゃそう簡単に高額なバイクが売れるとは思わないけれど)、住所を書いてくれるだけでもありがたいとの話であった。これからも見積もらうときには正直に住所名前電話番号を書いてみよう、と思った。また、今回のサービス内容については絶対に他の人に言わないでください、と念を押された。赤字覚悟の・・・というレベルではないのだろうが、同業のディーラーには知られて困ることなのかもしれない。(ってここに書いちゃっているけれど、いいのか…?)

 納車は3月下旬には可能とのことだが、転勤がこわいし福島では雪もあるため、実際の納車は4月に入ってからにしてもらう事、とりあえず予備検を受けておけばOK、できればローンの申し込みは早期にお願いしたい、などの双方の要求も互いに打ち合わせし、電話を切った。

 高価な買い物をしてしまったという少しの罪悪感と達成感、新型車を新車で乗って旅に出かけられるとの期待感で、その夜はなかなか寝付けなかった。


※注1:●ッ○ー◎は「ホッ○ーをこよなく愛する方々の集まり」である。本拠地は関東方面である。会員募集は行っていない?
※注2:大井松田の小松試験場は毎年夏〜秋に年1回行われていた「ビックバードミーティング」の会場である。砂利が浮いていてその下は硬い路面、グリップが良いのか悪いのかよく判らない路面状況である。水を蒔かれると滑りやすいので要注意である。(経験者談)



後日談
 納車にあたり、諸事情で遅れに遅れた。詳細をお伝えしたいところだが、そこは御勘弁願いたい。
 通常では考えられない遅れであったのだが、そこはタダでは転ばないという信念の基に、つじつまを合わせるべく用品サービス等をお願いし、サービス品を頂戴した。しかしこのほとんどはディーラー側のサービス品である。

 最初の納車遅れ(車両入荷が3月末→4月末に変更)については、KTM側からの話で非売品のRedBullのパーカーがもらえる事となった。しかし、このパーカーを受け取ったのはなんと9月にはいってからであった。

 また、その後2回にわたり納車が遅れた際には(4月末→5月上旬、5月上旬→6月末)、交渉の末ディーラーからリアのスポーク&ハブを頂戴した。(約4万強)
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